ハッピーに過ごすヒント 第19回 ちょっとだけベター
今年も残すところ2日となりました。
多くの方が、今年を振り返り、来年はこうしたいと思っておられることでしょう。
前回書いたように、「行き先(ビジョン・理想・やりたいこと)が明確」であればあるほど、そこに近づきます。
けれども、行き先が決められない、ビジョンが描けないという人もいます。
そして、それでも問題ないという人がいます。
以前、私がセミナーを受講した、コーチの平本あきお氏(株式会社チームフロー代表)は、人には「ビジョン型」と「価値観型」があり、うまくいく方法が違うといいます。
「ビジョン型」は、自分はどうありたいかという「ありたい姿」(ビジョン、行き先)が、モチベーションになります。
それを実現するために、いま何をすればいいか、遡って目標設定をするのが向いています。
たとえば、10年後の理想に向けて、7年後、5年後、3年後、1年後と遡って目標を決めます。
これに対して、「価値観型」は、自分は何のためにやるのか、という「自分らしさ」(理由)がモチベーションになります。
「自分らしさ」を明確にするため、過去充実していたのはどういうときだったかを思い出し、自分のこだわりや大切なことを確認し、それらが生かせて、やりたいことを行なうようにします。
自分の価値観にもとづいて、今日、明日、1カ月後、1年後と積み重ねていくのが適しているといいます。
じつは、私がやっている「ビジョン塾」やコーチングは、このどちらのタイプにも対応できるようにしています。
けれども、ときどき、この両方に当てはまらない人もいます。
ビジョンが描けない、かつ、自分らしさ、こだわりや大切なことがわからないという人です。
こういう人には、ある特徴があります。子どものときの過ごし方です。
多くの人が、子どものときは夢があったのが、成長するにしたがって、だんだん夢が失われていくという見方をしています。
そのため、子どものときの楽しかった思い出や夢を思い出してもらうと、「自分らしさ」が発見できると思っています。
けれども、先ほどの、両方に当てはまらない人は、「子どものときの夢、楽しかったことは、思い出せない」と言います。
物心ついたときから、親や周りの人の期待に応えて生きてきて、「自分らしさ」を意識したことがないのです。
こういった人が、すぐには、行き先が決められず、自分らしさがわからなくても、自分を伸ばし、価値ある毎日を送ることは、もちろんできます。
1つ紹介します。「ちょっとだけベター」の考え方です。
毎日、1日、いまを「ちょっとだけベター」に過ごす。無理のない、できる範囲で、いまをよりよくするということです。
不機嫌、憂鬱に過ごすよりも、なるべく普通に過ごす
普通のときは、ちょっとだけ楽しく過ごす
ちょっと笑ってみる
ちょっとだけ人に親切にする
ちょっとおいしいものを食べる
ちょっとした手間をかける
ちょっと早く起きる、ちょっと早く寝る
ちょっと運動する
ちょっと片づける、掃除する
いつもとちょっと違うことをしてみる
ちょっと楽しくなることを考える
ちょっとした目標をもってみる(この仕事は2時間で終わらせるなど)
ちょっといいなと思うことをしてみる
……
ちょっと〇〇を、1週間に3つやってみる
できたら、1日に1つやってみる
来週のちょっと〇〇を考えてみる
試してみてください。
「ビジョン型」はビジョンを、「価値観型」は自分らしさを踏まえて、「ちょっとだけベター」な行動を意識するといいかもしれません。