タスクを細分化しても実行できない人のために

あれをやらなければ、これもやらなければと頭の中にタスクが常駐していると集中力とメンタルに悪影響を及ぼします。その状態を脱出するために、または忘れないために紙にタスクを書き出すやることリスト、いわゆるTo-Doリストというものを使っている人も多いのではないでしょうか。

□ Aさんに○○の件で連絡する
□ 領収書を清算する
□ 新プロジェクトの提案

こんな感じでしょうか。実は私はこのTo-Doリストというものが苦手です。

タスクはそれだけではただの指示です。実行確率を高めるために色々と試してはみても、いつまでもスマホや手帳の中にタスクがある状態になりがちです。

タスクが難しければ細分化するといいと何かの本で読んだ気がするので細分化したところ、やっていて面白くない作業になってしまいました。

そんな私に一筋の光明となるべく新しい言葉を見つけました。「行動抵抗性(Behavioral Resistance)」です。

今回、1月のジャーナルクラブで読んだ論文がそのテーマでした(私の担当ではありません)
“Don’t Mind If I Do”: The Role of Behavioral Resistance in Self-Control’s Effects on Behavior

※ジャーナルクラブについてはコチラのリンクからごらんください

概要(abstract)の最初に「最近の研究では、セルフコントロールが高い人は、努力的なコントロールをするのではなく、よりスマートで努力をしない戦略を採用することで、目標に向けた行動を行うのではないかと示唆されている。」とあります。

「セルフコントロールは努力して我慢して積み重ねるものじゃないよ、スマートな戦略さ」ということでしょうか。日々、コンビニで何を食べるのか考えるのも面倒という、私のような人間にとって、楽して生きていこうかと考えるのは楽しいことです。

面白そうで俄然やる気になりました。興味がないと英語論文読むのは疲れるので自分の興味を引くのは大事です。

方法(method)のところで参加者の離脱数の多さが気になったり、結果で相関係数0.2で相関ありというのはどうなんだろうという疑問はありましたが、全部読みました。横断研究なので少しつかみどころがありません。

結論は、セルフコントロール能力→行動の関係は証明されていません。
「セルフコントロール能力が高いことと、行動は相関がない」そうです。

そのかわり、行動抵抗性→行動の関係があります。
「行動するためには行動抵抗性が低いと行動しやすい」そうです。

そろそろまとめると、タスクは細分化すればいいわけではなく、タスクに対して「抵抗感」がないものにしてしまえばいいということです。

タスクの大小ではなく、質に焦点を当てるっていうことです。

例えば、私は誰かに電話をするというのは非常に苦手です。因みにかかってくるのは苦手ではありません。原因は謎です。

タスクを細分化して、11時にスマホを手に取って、伝える内容を先にメモして、電話帳アプリから連絡先をタップするというのは、細分化したとしてもハードルが高いのです。

□ Aさんに○○の件で連絡する

このタスクを私としては

□ Aさんに○○の件で連絡してほしいとメールで連絡する

この方が行動抵抗性が低いので実行確率が高まり、達成に繋がりやすいということです。

いやぁ面白い。

ファーストオーサーであるMarleen Gillebaartさんの論文は新しいものが多いので他のも読んでいくことにします。

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